酒造りは、原料の「玄米」を精米機で精米して蒸すことから始まります。酒造米は精米歩合が35%~70%で、飯米に比べて白いのが特徴。蒸し米は麹造り、酒母(もと)、もろみの仕込みに使われます。
蒸し米に黄麹菌を植えて麹を造ります。麹は酒母(もと)、もろみにいれて米のデンプンを糖化していく役割を果たします。もろみを健全に発酵させるために優良酵母を多量培養したものが酒母(もと)です。
酒母(もと)は蒸し米、水、麹に酵母を加えたもので、もろみの発酵を促す酵母を大量に培養したものです。酛造り(もとつくり)、いわゆる酒母造りに入ります。仕込みタンクに水、麹、蒸米を仕込み、純粋な酵母を大量に培養します。
ここで日本酒造りの特徴である三段階に分けて仕込みをする段仕込みが行われます。1日目は初添え。2日目は仕込みはお休み。酵母はゆっくりと増えていきますが、これを踊りといいます。3日目に2回目の仕込み(仲添え)をします。4日目に3回目の仕込み(留添え)をして仕込みは完了。
いよいよ、この酒母(もと)に麹、蒸し米、水を加えてもろみを仕込みます。このもろみが原酒となります。
20日ほどかけて発酵を終えたもろみは圧搾機で搾られ酒と酒粕に分けられます。搾りたての新酒は、ろ過、加熱(火入れ)され、そして貯蔵されます。また製成後、一切加熱処理をしないお酒は「生酒」。製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、出荷の際に加熱処理するお酒は「生貯蔵酒」。
精米から、並行複発酵、段仕込みというとても複雑な工程を経て、約60日間をかけて日本酒は誕生します。
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